マチュピチュ、ペルー

20時間を超えるフライトでリマへ到着。
ここが地球の反対側だなんて信じられない。
ぼくの頭の中ではどうしても平らな地面なんだ。
宇宙へ飛んで窓から丸い地球を見せられてもきっとそれは繋がらないだろう。

今までの旅日記は読み返したことがない。
アメリカ編もヨーロッパ編も。
この「南米編」も読み返すことはないのかもしれない。
(旅日記の最初のページ リマ、ペルー)

地上絵の「サル」や「手」は片手の指は4本。
地上絵の研究と保存に生涯を捧げたマリア=ライへも片手の指は4本。
(ナスカの地上絵、ペルー)

すずしい風が運ぶ音楽と褐色の景色が溶けてまざり合う。まさにその接点にいる。
なんだかジプシーキングスが聴きたくなった。
(オリャンタイタンボへ、ペルー)

カメラに写らないものが多すぎる。
写真機は自分の中にあるぞ、目で写せ!
(マチュピチュ、ペルー)

気づけばもう1時間以上は登っている。こんな斜面を。ひとりで。
そしてこの呼吸の早さ、荒さ。大丈夫かなオレ。ゆうべもほとんど寝てないし。
高山病にならなかったのが唯一の救いだ。
暑いわ、キツいわ、寂しいわでどうにもならん。しかしのどが乾いた。
「なんで水を買わなかったんだ、オレは!なんで!?」
(マチュピチュ山、ペルー)

遺跡の奥にあるワイナピチュはインディアンの横顔に似ているんだよ。
本当だ、でかい横顔!トリハダが立った。
(マチュピチュ、ペルー)

(タクシーの運転手に多く払いすぎたことについて)
そんなことはどうでもいいんだ。ひたすらに星がきれいじゃねえか!
心からそう思っている、きっとどうかしているんだ。
(クスコへの帰り道、ペルー)

香苗さんの日本食はほとんど自家製。
刺身に煮物、漬け物、味噌汁。ペルーの食卓とは思えない。日本食には苦労されているだろうという当初の予想は見事に裏切られた。
「こんなうまい納豆、日本でも食ったことがない」
(ポコアポコにて リマ、ペルー)

窓をしめてくれ、奴らギャングだぞ。
(ファベーラ(貧民街)にて リマ、ペルー)

「おい、話したい事があるからあっちで一杯やろうぜ」
鋭い目のおっちゃんは少年たちにあごで合図したあとオレにそう言った。ヤバい、絶対行ったらヤバい。こいつらにボコボコにされる!ボコボコならまだましだ。オレは満面の笑みでこう返した。
「ものすごく楽しいからここで踊ってるよ!一生ここでね!」
(サンバパーティにて リオデジャネイロ、ブラジル)

同室のコロンビア人、アレハンドロと昼からずっと飲んでた。
「コロンビアか、危ない国だよな」
彼と出会った人たちは冗談なのかほとんどが開口一番そう切り出す。
「そんな事はない、それはごく一部の人間のしていることなんだ。セキュリティもしっかりしてるし、飯もうまい、自然も最高だし、女性はダントツにキレイ。それにー」
ひとりひとり丁寧に説明していた。「わかったわかった」笑いながら彼らは去ってゆく。
その度にへんな空気が漂う。
ココナッツの実にさらにピンガを注ぐと乾杯をした。サウージ、サルー、カンパイ。
「おいムネ、いつかコロンビアにこいよ」
自分の国を誤解されたくないという強い気持ち。
濃いまつげが印象的で立派な横顔だった。
(コパカパーナビーチ リオ、ブラジル)

だからそんなに強く肩をつかむなよ!
だからつかんでないって!さっきから!
(ハングライダーでリオ上空飛行中、
パイロットとのやりとり リオ、ブラジル)

運転手のドウーダは嬉しそうな顔で携帯電話を切った。
「アーミーでイスラエルにいた息子が今日帰ってくるんだ!パパ、パパと言ってたよ」
本当の笑顔は人にうつる。心がじゅわーとする。
「これハポン(日本)のソルチ(幸運)ジニエーロ(お金)だよ」降りぎわに彼に5円玉をプレゼント。
「あとこれは息子さんに」ともう1枚。
「おお、アミーゴ、ありがとう!」
握手をして彼は去っていった。
(コパカパーナのタクシー リオ、ブラジル)

ジェイムス=ブラウンの「Sex Machine」が流れたときはヤバかった!
まさに「CITY OF GOD」の1シーンそのもので、危険で行っちゃいけないフロアに行ってガンガン踊りまくった。
(ファベーラのクラブにて リオ、ブラジル)

なに言ってんの。今すぐここを出て、あなたの部屋にいくのよ。
(リオのクラブ、黒人の姉ちゃんの一言 リオ、ブラジル)